【Netflix#10】人生は、遠くで見れば喜劇。近くで見れば悲劇。それでも『私たちのブルース』を等倍で観る理由。

朝の市場に
氷を砕く音が響いている。
濡れた床に、長靴の底が張りつく。

魚の匂いと
潮風と
誰かの怒鳴り声

その横で、笑っている人がいる。

『私たちのブルース』は
そんな音から始まるドラマだった。

市場には、いつも人の音がある

魚を並べる音
野菜を運ぶ音

遠くから
名前を呼ぶ声

誰かが、忙しく動き
誰かが、立ち止まり

誰かが
ただ、ぼんやりしている。

完璧な人間は一人もいない
格好悪くて、不器用で。




それでも、今日を
やり過ごしている人たちがいる。

今日は、話を聞くだけで一日が終わった

ある回では、主役の俳優で
次の回では、背景で笑っている。


ただ、人の人生を
少し離れた場所から見ていた。

どこに立っていても、人生は続いている

誰かの人生を、支える日もある。
どうしようもなく
自分の痛みだけに、なる日もある。

市場の人たちは
そんなことをいちいち考えない。

魚を並べて
お金を受け取って
また、魚を並べる。

かすかに、エプロンの
ポケットで、小銭が鳴る。

その繰り返しのなかに
人生がある。

人生に、順位なんてつけられない

このドラマを観ていると
誰が主役で
誰が脇役か
わからなくなる。

怒っている人も
笑っている人も
黙っている人も

みんな同じ重さで、そこにいる。

「まあ、なんとかなるか」と思える理由


人生は、遠くで見れば喜劇
近くで見れば、たしかに悲劇

魚の匂いがして
潮風が吹いて
誰かの声が聞こえてくる場所で。

でも
このドラマを観ていると

なぜか
なんとかなると思える。

今日も生きているから。


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